「とりあえずカット取っ払って見ました」的なイロモノとして作られた物では無く
きちんと積み上げが見て取れる、あくまで満たすべき性能を満たすためのダーツで、
「PYROに変な味付けをしたもの」ではなく
「こういうアプローチで完成されたPYRO]の一つのバージョンとして
ちゃんと出来上がっています。
カットの「表面上の引っかかり」でなく、
形状、シェイプへの加力によって投げるダーツになるため、
どうしてもグリップ含めて「点」のイメージは持ちにくく、
ポイントでシャープに抜いて投げるイメージとは少し離れますが、
PYROシリーズに期待される、シャープな加力と抜けに関しては、
ストレート部からの立ち上がりのバランスによって、今までのPYROとは
違うアプローチではありますが、実現されています。
むしろ飛び感や、スローのイメージと言う意味では、
PYROシリーズの中で、一番ベーシックかもしれないという印象。
カットと言うサポートが無いダーツなので、
それに依存して投げていた場合は色々見つめなおさせられるダーツではありますが
きちんと正解は存在するダーツなので、投げる価値は大いにあります。
TARGET製の星野モデルにハズレ無し、と言い切ってもいいのではないかと言う出来。 【 投稿日:2018-08-10 】
一見、「樽型のどベーシックシェイプ」のダーツのように見えますが
後方のカット部が「多段テーパー」とでも言うような形状になっており
バレル最後尾から1段、カット部中央付近のカット幅が広い部分からもう1段という形で
傾斜の立ち上がりが設けられています。
(斜めからカット部を撮った写真がわかりやすい)
見た目にはそうでもないですが、握ってみるとこの傾斜が思いのほか存在感があり
かなりわかりやすく加力のポイントを明示してくれます。
立ち上がりをグリップ部に入れるダーツは
力は乗ってもその分リリースが難しくなる場合がありますが
このダーツの場合は実際は感じるほどキツイ立ち上がりでもないので
むしろ矢抜けはかなり良いです。
このグリップ部は、ちょっとした魔法です。
その分、若干指に対するインフォがうるさいのでグリップを力まないように注意する必要もあります。
しかし、何よりこのダーツのミソは「虚飾の無い飛び」だと思います。
押したら押しただけ、抜いたら抜いただけそのように
逆に、ヒネったりチビったりしたら、それもそのままそのように飛びます。
最近のダーツは「こんな投げ方でこんなに飛ぶの?」というくらい
とりあえず無条件で力を食ってぶっ飛んでいくものが多く、
何故それだけ飛んで、何故入っているのかをいつの間にか見失って
意識して投げていないと気づいたら投げ方ごと壊れていたりする場合があります。
とりあえず飛んでしまうダーツはそういう危険があります。
このダーツは投げていて、伸びた理由、落ちた理由、入った理由、外した理由が
「自分がどう投げたか」ときっちりリンクしているため
率直かつ正確なフィードバックがスローに結果として返ってきます。
これ以上に信頼できる性能は無いな、と感心しきりです。 【 投稿日:2012-05-04 】